私は、4年前にそれまで何の縁もゆかりもなかった岐阜に移住をしました。弊社には、私以外にも首都圏や他の地方から移住してきた社員が多くおり、「移住」をテーマに話をすることも機会も多くあります。
今回、岐阜への移住を考えている方々へ向けて、この記事では移住先として岐阜が選ばれる魅力とともに、移住の失敗例とその対策についてをご紹介します。
美しい自然と温かな地域社会が魅力の岐阜ですが、実際に移住するとなると様々な課題が待ち受けています。仕事の見つけ方、地元のコミュニティとの関わり方、気候の対応、娯楽の限られた選択肢、車社会の実態など、具体的な事例を交えながら、失敗しないための実践的なアドバイスを提供します。これから岐阜で新たな生活を始めようと考えている皆さまが、より準備を整え、理想的な移住生活を送れるように、この記事をお役立てください。
「失敗した・・・。」よくある失敗事例を学ぼう
仕事や収入面
岐阜県への移住者が直面する最大の課題の一つが、仕事の種類が限定的であることです。
岐阜県の産業の特徴として、製造業が最も大きな構成を締めていることがあげられます。逆にITやサービス業などの求人の割合が少ないため、移住前と同じ職種や業界の求人の選択肢が少ない可能性があります。
また、給与水準も異なります。最低時給で見比べても、東京都:1,163円、神奈川県:1,162円、岐阜県:1,001円と、首都圏にくらべて14%もの乖離があります。
人間関係や風土
地域コミュニティの緊密さが魅力の一つであるのが田舎のよいところ。とはいえ、その閉鎖的な側面が逆に新住民を孤立させてしまうこともよく聞きます。
私の住んでいる岐阜市では、地域コミュニティの集まりや関わりは一切ありませんが、自治体や地区によっては、そういった面で苦労することもあるかもしれません。
気候・自然
岐阜県は森林率が高知県に次いで全国第2位という、自然豊かな県です。特に移住者の失敗リスクになりうるのは、雪の問題でしょう。
岐阜県は縦に長い県です。飛騨高山地区などの北部への移住を検討されている方は、雪かきや雪下ろしなどが必須になるかと思います。逆に岐阜市や羽島市といった、岐阜県の南部を移住先に選ぶ場合は、豪雪という意味での心配はそこまで必要ないかと思います。(岐阜市でも、年に数回は雪がつもります。車を持つ方は冬用タイヤがほぼ必須です。)
参考:岐阜圏域の森林・林業の姿(岐阜県ホームページ)
娯楽がない
「娯楽」と一口に言っても色々あるので、一概に娯楽がないと言い切るわけではありませんが、もちろん都市部に比べると、映画館やショッピングモールなどの娯楽施設が限られています。
岐阜の住民が、家族で買い物に行く場合は、郊外の大型ショッピングモールに行くことがほとんどになります。(岐阜市近郊であれば、本巣のモレラ、カラフルタウン、各務原のイオンなど)
ただしインターネット環境は都会と変わりませんので、ゲームやサブスク型の動画配信サービスを趣味にしている人には、全く苦が無いでしょう。また、ゴルフやテニスなどの屋外型のスポーツや、山登りやキャンプ、バーベキューなどを趣味にされている方には、逆に週末が楽しみで仕方がない生活になるかもしれません。
写真は、弊社スタッフおすすめの「モネの池」(関市)
車社会
岐阜県は公共交通の便が良くない地域が多く、日常生活を送るには自動車が必須となることが多いです。そのため、公共交通機関が期待できない地区への移住を検討する際は、運転免許の取得と車の購入を考慮に入れる必要があります。
とはいえ、車がなくても生活しやすい地区も存在しますので、車を持ちたくない方については、移住のエリアをよく検討するのがおすすめです。
移住と車の関係については、下記の記事でも紹介しています。
移住失敗を避けるために、実践してほしいこと
移住支援機関への相談
移住支援機関に相談することは、移住計画を立てる上で非常に有効です。
多くの自治体や非営利組織が提供する移住相談サービスでは、実際の移住経験者や専門家が、地域の雇用情勢、住宅情報、生活環境などについて具体的な情報を提供してくれます。また、補助金や助成金の情報も得られることが多く、財政的な支援を受けることが可能です。
たとえば、東京にあるふるさと回帰センターですと、岐阜県の担当者がいらっしゃいますし、弊社の社員も移住時にお世話になった機関です。
トライアル移住
移住に限ったことではありませんが、大事な決断ですので、「まずは小さく試す」ことをおすすめします。
実際にその地域での生活を体験するトライアル移住は、移住前に実際の生活感を掴むのに非常に役立ちます。一時的に移住先で生活をすることで、日常の小さな問題や地域の文化、気候など、事前に情報だけでは把握しきれない実情を経験することができます。この体験を通じて、その地での生活に自分や家族が適応できるかどうかを判断する基準とすることができます。
エリアを吟味する
移住先の地域を選定する際には、自分のライフスタイルや価値観に合ったエリアを慎重に選ぶことが重要です。
前述の通り、岐阜県の中だけで言っても、飛騨高山地区、中津川や恵那地区、岐阜・大垣地区などで、自然環境、生活環境は大きく異なります。移住の満足度も全く異なってくることでしょう。
また、子育て世代であれば、教育環境や子育て支援が充実している地域を選ぶと良いでしょう。地域の経済状況や医療施設、交通アクセスなども、長期的な生活の質に直接影響するため、細かく調べ上げることが必要です。
岐阜への移住を成功させるためには、これらの点を事前に考慮し、準備を整えることが重要です。美しい自然と温かな人々が迎える岐阜での新生活を、失敗することなく楽しむために、しっかりとした計画を立てましょう。